住まいのはなし#1 | 自然の力で快適に暮らす
パッシブデザイン
東日本大震災後、ガスや電気などへの依存が見直され、自然のエネルギーを上手く利用する、快適で健康的な住まいが注目されるようになってきました。
この「自然エネルギー」は太陽の光や熱、風、地中の熱など、自然にもともと存在するエネルギーを指しますが、これらを受動的(パッシブ)に利用して、機械の力に頼ることなく快適な住まいづくりをしようという考え方です。この設計思想や設計手法を『パッシブデザイン』といいます。
冬、太陽光による暖かさを室内に取り入れ、夏は通風や、日射遮蔽することによって涼しく過ごし、家全体の断熱性能を上げることにより熱の出入りを少なくする。こうした『パッシブデザイン』の手法により、ガスや電気への依存を少なくすれば、省エネになり自然の快適さも享受できるというわけです。
ただ、最近異常気象を体験することも多く『パッシブデザイン』だけでは快適さを得られない事もあります。その時にはアクティブな設備を使用して補うのですが、そのバランスは住まい手の考え方やライフスタイルに大きく関ってくることとなります。住まいづくりはそんなことも含めて、奥が深いと感じます。
パッシブデザインの日本における第一人者の小玉祐一郎氏は、「過酷な周辺の環境を緩和して快適な室内気候をつくろうとする際には、まず建築的手法(パッシブ)を試み、不十分であれば、機械的な手法(アクティブ)で補うのが原則であり、建築的手法は地域の気候特性に応じて多様にある」と述べています。
快適な室内環境は設備に頼るのではなく、住まいを設計する時に自然エネルギーを取り入れる建築的な工夫をもってプランすることが第一であり、また、その工夫を一軒一軒、その地域性を考慮して進めていくことが大切です。その手法については、別の機会にまとめてお話したいと思います。
次回の記事「住まいのはなし#2 | 自然の力で快適に暮らす方法」はコチラ
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