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【よく聞かれる10の質問 - #4】「床暖房って必要?家の性能・仕様で変わる床暖房の必要性」

【よく聞かれる10の質問-#4】「床暖房って必要?家の性能・仕様で変わる床暖房の必要性」

床暖房とは、その名の通り床を暖めるための建築設備です。
新築をご検討されるお客様から「床暖房を入れてみたい」とお聞きすることが多いのですが、床暖房を検討されている方には一度、床暖房の必要性についてよくお考えいただきたいのです。

今回のブログはその理由について、詳しくお話していきます。

床暖房の種類

床暖房には様々な種類があります。
まず使用エネルギーは、電気式なのかガス式なのか。さらに機械の構造としては温水型、シート型などがあります。
また電気式の場合は温水型、シート型が主流で、ガスの場合は温水型となります。

床暖房のメリット・デメリット

メリット

・足先からぬくもる
・エアコンのような風を感じない(ホコリが舞わない)
・エアコンに比べ乾燥しにくい
・機器の掃除が必要ない

デメリット

・コストがかかる(イニシャルコスト、ランニングコスト、メンテナンスコスト)
・メンテナンスが大掛かり
・温まるまで時間がかかる

床暖房単体だけだと、このようなメリット・デメリットを比較することができるのですが、大切なのはこれだけではありません。

なぜ床は冷たく感じる?

そもそも、“床は冷たい”というイメージを持っておられる方が多いともいますが、その理由は、昔の家の断熱・気密性能が悪かったから。
現代の家は性能が随分よくなりましたが、必ずしも、床の冷たさが起きないわけではないため、注意が必要です。

床が冷たいと感じるメカニズムはこうなっています。

1.  断熱・気密性能が悪い

暖かい空気は上へ、冷たい空気は下へ行く空気の特性上、どうしても足元は暖まりにくくなります。
断熱・気密性が悪いと、部屋を暖めながらも、いたるところから熱が逃げたり、外の冷たい空気を取り込んでしまうため、いつまでも足元が暖まらないという現象が起こってしまいます。

【よく聞かれる10の質問-#4】「床暖房って必要?家の性能・仕様で変わる床暖房の必要性」

また、断熱性能が悪いと、いくら部屋の温度が暖かくても、窓や壁の表面温度との差がうまれ、不快感が生まれてしまうのです。

【よく聞かれる10の質問-#4】「床暖房って必要?家の性能・仕様で変わる床暖房の必要性」

家全体の空気の温度を底上げしてあげることで、足元の冷えを防ぐことができます。

2.  窓の断熱性能が悪い

断熱性能が悪い窓は、室内側の窓表面の温度が低くなります。そうすると、“結露”という現象が起きるのはよく知られていますが、“空気の流れ”が起こることもご存じですか?

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暖まった空気は、冷たい窓に触れることで冷やされ、足元に流れ出し、行き場を失った冷たい空気は床の上を移動し、移動している間に空気が暖まり、またそれが部屋の上部へと上昇していく・・・

断熱性能が悪い窓を採用すると、このような空気の移動が部屋の中で起こっているのです。足元で起こっている空気の移動が、冷たさを感じる原因となります。

3.  表面温度が冷たいと感じる床材を使っている

同じ場所にあるのに、触れると{冷たいもの}と{温かいもの}がありますよね。それは、“ものによって熱伝導率が違う”からです。
熱伝導率とは、熱の伝わりやすさのことで、熱伝導率が高いものは冷たく、低いものは温かく感じます。
例えば金属は、熱伝導率が高く、触れた肌の熱を早く奪ってしまうため、冷たく感じます。木は熱伝導率が低いので、肌の熱がゆっくり伝わり、温かく感じます。

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さて熱の移動の原理がわかったところで、床材に当てはめて考えてみると、無垢フローリングが温かいというのがよくわかります。

木には熱を蓄える性質があるため、よくお聞きする“木の家はあったかい”というイメージ通り、機械に頼らず快適に暮らせる大切な要素の一つです。
ただし、材質は木のフローリングでも、表面がシート貼りのものや、ウレタンなどの塗膜を施してあるものは、無垢フローリングよりも熱伝導率が高くなるため、冷たさを感じてしまいます。

まとめ

床暖房が必要なのはどんな家なのか、3つにまとめました。

□ 高気密・高断熱でない家
□ 窓の性能が悪い家
□ 無垢フローリングを使用していない家

高気密・高断熱の家で、窓の性能が高く、無垢材を使用している家は、床暖房は必要ないと私たちは考えます。
リフォームの場合は、それだけで性能を補えない場合には床暖房をつけることをお勧めすることもあります。
また、プラン上、長時間いるのにエアコンの効きが悪くなりそうな場所に、局所的に設置のご提案をすることもあります。

家の性能、仕様を含めて検討することで、床暖房の必要性がわかってくるのです。ぜひ家づくりの参考にしてみてくださいね。

 

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