健康な住まい
| 「冬」が要注意
これから家を建てようとする人が、住まいに求めるものはそれぞれ違うと思いますが、家族の健康にとってよい住まいにしたいという点は共通すると思います。
むかし兼好法師は『徒然草』の中で「家をつくるなら夏を旨とすべし。」と説きました。食べ物が腐りやすくカビも生えやすかった時代は、「夏の暑さ」が健康=命にとって一番のリスクだったのでしょう。
しかし冷蔵庫もエアコンも発達して普及している現代では、健康にとってのリスクが最も高い季節は夏ではありません。それは「冬」です。病気による死亡率も転倒などの家庭内事故による死亡率も、1年の中で冬が最も高くなります。
家族の健康を考えるなら「冬を暖かく暮らす」ことが重要なのです。
| 家をまるごと暖かく
冬の住まいの最大の問題は「屋内の温度差」です。暖房のついた部屋と廊下・洗面所・浴室・トイレの差は約15℃、寝るときは暖房を消す人が多いので、明け方の布団の中と室温の差は20℃超になります。
この急激な温度差にさらされることで人体に大きな負荷がかかり、心臓発作や脳卒中を引き起こすのがヒートショックです。それだけでなく、風邪・ぜんそく・アレルギーの症状が出ることもあります。
屋内の温度差をなくして一定の温度に保つには、熱が家から外に逃げる隙間をなくすことと、断熱した屋内の空気をコントロールすることが大切です。
高断熱・高気密住宅に住み替えた多くの人で、気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎、関節炎、アレルギー性鼻炎などの症状が明らかに改善し、断熱性能と症状の改善率は比例しているというデータもあります(近畿大学岩前教授による調査)。
家全体が暖かくなれば、住む人の行動範囲が家中に広がります。その結果、運動量が増え、健康にもよい影響を及ぼします。
| とり込む春秋、さえぎる夏冬
私たち日本人は、自然を住まいに取り込み、四季の移ろいを感じる開放的な生活を大切にしてきました。しかし、大開口のリビングで開放的な空間というだけでは、冬は過ごせません。
高気密・高断熱住宅は、快適な春や秋は窓を開けて、自然の爽やかな外気を直接取り込み、夏と冬は厳しい外気を遮断して、室内の温湿度を調節して快適な住環境を確保する住まいです。
| 健康と省エネ住宅
春夏秋冬を快適に過ごし、長く住み続けることのできる住まいは、高気密・高断熱の住まいです。優れた断熱性能と適切な計画換気システムが、家族の健康を守ります。
政府も2020年までに住宅の過半数を高断熱による省エネとソーラー発電を組み合わせたゼロエネルギーとする目標をかかげています。優れた断熱性能と適切な計画換気システムの健康な住まいは、熱エネルギーを外に逃がさない、ゼロエネ住宅でもあるのです。
| 「屋内の空気をコントロールする家」とは? 最新の換気システムを見にいこう!
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