住まいのはなし#14 | 夏をむねとすべし
断熱だけでは快適にならない
「家のつくりやうは、夏をむねとすべし。」
兼好法師の『徒然草』の一文です。
その後に「冬の寒さはいかなる所にも住まる 暑き頃 わろき住居は堪へがたき事なり」と続きます。他の『徒然草』の文章も合わせて考えると、寒さは衣服で防ぎ、高温多湿の夏は建物自体で工夫しないと暑くてしょうがないと法師は考えていたようです。
現代では断熱が一番で「冬をむねとすべし」の家づくりが主流です。しかし、この暑い時期、暑い外気を一旦室内に入れてしまうと排熱に時間がかかり「暑くてしょうがない」熱ごもり現象が起きてしまいます。
断熱性能が良ければなおさらです。そこで、暑さを家に入れない工夫が夏の住まいづくりのポイントとなりますが、ある意味冬の断熱とは相反します。
そこで注目したいのが『窓と風』。窓から入る熱をしっかり遮断することと、風を通すことです。
パッシブデザインと呼ばれている設計手法ですが、現代の日本でも住まいづくりのキーワードはやはり、「夏をむねとすべし」であり、「冬の寒さは断熱や厚着でなんとかなるが、夏の暑さはどうにもならないので、住まいづくりの基本は夏にある。」ということなのでしょう。
さらに言えば、日射遮蔽や通風に配慮した家を建てても、住む人が自ら暮らしの中で住まい方を工夫しながら家と向き合わないと理想の住まいにはならないという事だと思います。
前回の記事「住まいのはなし#13 | 梅雨時の暮らし」はコチラ
次回の記事「住まいのはなし#15 | 豊かな暮らし」はコチラ
おすすめの施工例
お問い合わせやご相談はお気軽に
NEW
CATEGORY
- 現場ルポ
- 中庭を囲む三角屋根の家
- 豊かな窓際のある住まい
- 木の温もりを感じる瓦屋根の家
- 大きな切妻屋根の家
- アイアン階段が繋ぐ光の家
- 木のぬくもり溢れる暮らしに寄り添う家
- 吹抜けと高い天井で明るくゆとりのある家
- プライベートスカイのある家
- 薪ストーブとともにある住まい
- 京都・奥行きのある家
- 角地にたつ寄棟屋根の家
- 暮らしとともに育つ家
- 4つの余白の家
- 旗竿地にたつ帰りを迎える家
- ワンルームのようなつながりを楽しむ狭小3階建て
- 狭小地にたつ光庭の家
- サスティナブル・ハウス
- キッチンから庭の緑を望む家
- 暮らしを楽しむ小さな平屋
- 人が集まるグルーヴィーハウス
- 様々な落ち着く場所がある懐かしい家
- 平屋暮らしのできるL字ハウス
- クライミングハウス
- 三井寺 小路の家
- 彦根の家
- 年中快適 ゼロエネハウス
- プライベートサロンのある家
- 性能のはなし
- エネルギ—のはなし
- 暮らしのデザイン
- 若手設計士の日々ログ
- 日々のしごと
- 日々のできごと
- よく聞かれる10の質問
- コンセプトハウス
- よもやま話
- 住まいのはなし
- スタッフ
- 会社の活動
- 2015年以前のブログ