「落ち着いた佇まいのゼロ・エネルギー住宅」

「築35年のハウスメーカーの家からの建て替えです。隣接した土地が売りに出たのがきっかけです」とT様。それまでお住まいになられていたお宅も、建物躯体そのものには問題はなかったそうです。「ただ、35年前は住宅の断熱性能など考慮されていませんでしたから、夏は暑くて、冬は寒くて。特にお風呂場は寒かったですね」。そのため、今回の住まいづくりでは、特に温熱環境や空気質の快適さにはこだわられたそうです。「断熱性能については、設計段階で室温をシミュレーションすることで、納得して依頼することができました。また、全熱交換型の第一種換気システムも、熱を逃さずきれいな空気を採り込むことができるということで、設置をお願いしました」

さらに、温熱環境や空気質だけでなく、住宅の「燃費」についても考慮されているT様邸。「8kw/hの太陽光発電パネルを搭載した、ゼロ・エネルギー住宅になっています。また将来は、電気自動車を蓄電装置として使うことも想定した配線もできるようにしています」。落ち着いた佇まいでありながら、快適さと省エネを実現する最新の技術が盛り込まれているのがT様邸の特徴といえます。

性能だけでなく、趣味を楽しむことにこだわっていることも、T様邸の特徴です。リビングルームに設置された7.1chのホームシアターの配線は、壁内にスマートに隠されています。また、そのリビングルームには薪ストーブが設置され、吹き抜け空間を高く貫く煙突が印象的。これには「ログハウスや田舎暮らしに憧れていたので」とご主人。なお、薪ストーブをぐるっと取り囲む自然石貼りの壁は「昔の外国映画に出てくるようなリビングルームのイメージにしたくて」とおっしゃる奥様のご提案です。

その奥様がこのお宅でいちばん気に入っているおられるのが、キッチンとその周辺の家事動線とのことです。「キッチンの天板の高さを最適化してもらったおかげで、腰を曲げた無理な姿勢をすることなく炊事ができるようになりました。また、キッチンに立つと、隣の実家や玄関の来客もわかるので便利。さらに、すぐ後ろに家事コーナーや洗濯室があるので、移動距離も短くて済みます」。

一方、ご主人が気に入っておられるのはLDK全体の開放感。SE構法が得意とする柱や壁の無い一室大空間に加え、階段室を北側に寄せた折り曲がり階段にすることで、視界を遮るものがない空間が生まれました。

ご要望を形にしていくことで、屋内外ともに上質な大人の空間づくりとなったT様邸。私たち大輪建設が目指す「日本の風土に寄り添った建築、滋賀の景色をつくる住宅」の一例として実現できたことをT様に感謝いたします。