「自転車とワインとスキップフロア」
母屋の横の敷地を両隣同士で分け合って購入した約15坪ほどの小さな敷地に建てられたお宅です。広い土間スペースは趣味の自転車の保管スペースとダイニングキッチン、その上はオーディオスペース、さらに来客が宿泊できるロフトへとスキップフロアになっています。オーナーの普段の生活は隣接する母屋で過ごすため、浴室・洗面や寝室、収納スペースのないコンパクトな建物です。
建物全体が緩やかに繋がった空間の構成とともに、このお宅の特徴は内装の仕上げ。構造用合板、フレキシブルボード、ステンレス、モルタルと、塗装をしない素材そのものの質感を生かすことで、この建物の骨格自体が空間構成となっていることを損なわないようにするのと同時に、経年変化によって味わいが増すような仕上げとなっています。
OUTLINE 建築概要
- 建築地:
- 滋賀県大津市
- 構 造:
- 木造(SE構法)
- 敷地面積:
- 49.29m²
- 延床面積:
- 56.14m²
- 1F床面積:
- 29.57m²
- 2F床面積:
- 26.57m²
- 竣 工:
- 2013年12月
VOICE お客様の声
「勢いで隣地の半分を購入してしまったんですけど、その使い道はよく考えてはいなかったんです」と奥さま。とりあえず、それまで母屋の2階に保管していた趣味の自転車の保管場所プラスアルファの機能を備えた建物をと、D.I.Y.で建てられるキット住宅を検討されたそうですが、「実物を見るとあまりにもチープだったので、ここはりプロにと」とご主人。まずはインターネットで見つけた住宅会社にプラン依頼をされたそうです。
「私たちが言ったことをその通りにプランに落として込んでくれるのですが、逆にあちらからの提案はほとんど無かったですね」と当時を振り返って。そんな時、たまたま休日にのぞいてみたイベントで大輪建設と建築家の進藤勝之氏に出会われたそうです。その日の午後には敷地の様子を見てもらい、その場でSE構法を前提にプランすることを発案。1週間後にはスケッチと簡単な模型でプランも提案。「その時にいまのスキップフロアを提案してもらい、これはいいな!と。コストも予算内だったので、それまでの住宅会社さんには断りを入れ、進藤先生と大輪さんのチームにお願いすることにしたんです」と奥さま。
ご主人のこだわりは内装仕上げの質感。「壁紙仕上げではなく、構造用合板の素地そのものを生かす方向で。ただ、貼り方の組み合わせにはかなり工夫をしてもらいました。また、耐力壁と梁を隠すためにフレキシブルボードをチョイス。これは進藤先生と私とがたまたま同じものに目を付けてたんです。ボードを止めるネジにもこだわりましたよ」とご主人。一方、奥さまは「むき出しの合板に無機質なグレーのボード…。廃墟みたいにならないかな?大丈夫かな?って完成までずっと不安でした(笑)」
そしてできあがったお宅には「まったく不満がありません、楽しいです」と奥さま。「何よりも、家を建てるということで暮らしはこんなに変わるんだと気づきましたね」とも。お引き渡しから2年半。このお宅でご夫妻の手料理とワインを楽しんだ方はのべ250名。昼前に集まったゲストが、居心地が良すぎて終電を乗り過ごすこともしばしばとか。今後も多くの方にくつろいでいただける空間になりそうですね。
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