「豊かな木の質感と陰影の家」

中古で購入された以前の住宅を築20年を過ぎたあたりで建て替えられて、現在のお住まいとなったT様邸。
「躯体自体はまだまだ住める家だったのですが、子どもの成長とともに間取り的に手狭になってきたので」というのが、建て替えの一番の理由だったそうです。また、「せっかく建て替えるのであれば、子どもたちとできるだけ長く一緒に過ごせるよう、早めに」という思いもあったとのことです。
さらに、「家の断熱性能が良くなく寒かったのと、冬の結露がひどくかったので」とおっしゃるのは奥様。そのため、建て替えにあたっては室内の温熱環境に大変気をつかわれたそうです。

設計の依頼は株式会社スウィングの金山先生へ。「栗東で開催された建築家との相談会でお会いしました。せっかくなので、若い建築家に頼みたかったですね。一緒に家を作っていく感じにしたかったんです」とご主人。「世代的に離れていないので話も合うし、ぼやっと思っていることもうまく聞き出してくれたのもいいなと」ともおっしゃっていました。

また、「SE構法については存在を知らなかったのですが、設計を見た大輪建設さんが採用を提案してくれたんです」とおっしゃるご主人。SE構法を採用したことで大胆な間取りやビルトインガレージを実現できたことに「正解でしたね。それに、構造計算の裏付けがされているのは安心できますよ」

今回の取材は、竣工から４年を経過した時点のものです。用いている木材に使い込まれた味わいが出はじめた感じです。
「やはりこの木の質感がいいですね。それと、２階のスノコと窓の格子、そして階段が作る陰影は、夕暮れ時にお酒を飲みながら眺めて楽しんでます」と愛着を語るご主人。遊びに来たお友達からは「注文建築っていいな〜。リフォームするときは大輪さんを紹介して」などと言われるそうです。
「それに、見知らぬ方が突然いらっしゃって『どこで建てられましたか？』と聞かれることもあるんですよ」と奥様。それだけこの界隈では特徴的なお宅のようです。

完成してから４年。外構に植えられた草木と建物がよく馴染み、風格さえ感じられるようになってきたT様邸。これからますます深まっていく味わいが楽しみです。